「犬洗洞ができるまで4」だニャ

今日は夏至ですニャ!


そんなに晴れてる訳じゃないのに、夜の7時過ぎても明るいからおかしいと思ったニャ!(=^_^;=)


あんまり昼が長いとついついお昼寝も長くなっちゃうから調子が狂っちゃうニャァ~。


え~っと、今日は昨日の続きで、キャットワンのワンちゃん美容室、「じゃぶじゃぶちょきちょき犬洗洞」 のシャワーブースができる様子をお話しするんだっけニャ。


シャワーブースはモロッコの特殊な左官技術の、“タデラクト” で仕上るんだけど、それまでの下地を作る段階からお話しますニャ!


そうじゃないと、犬洗洞が目に見えない下地の部分から自然素材にこだわって作ったっていう証明にならないからニャ!


シャワーブースの中は、土壁とは違うので下地は竹のバンブーネットではなくて木の板を貼って作りましたニャ。





↑ 木の板を貼った様子




その板の上に石灰と砂で作ったモルタルを塗ってタデラクトの下地を作るんだけど、そのまま板の上に塗ってもモルタルがくっ付かないから、まずは板にしっかりとくっ付く糊入りの漆喰と砂を混ぜたものを塗るんだってニャ。


その漆喰に入っている糊も今回はわざわざ銀杏草という海草を現場で煮て作った手作りの糊を使っているんだニャ!





↑ 鍋で銀杏草をお料理(?)中の大森さんだニャ




昔はみんなこうやって作ってたらしいけど、今はほとんどの場合既にボンドのようなものが混ざっていて水を入れるだけで使える調合済の材料を使うことが多いみたいだニャ。


そうやって自然素材から作った糊が入っている砂漆喰を板の上に塗っていくんだニャ。





↑ 板に砂漆喰を塗ったところ




そして、その上に今度はNHL(天然水硬性石灰)という石灰と砂を混ぜたモルタルを塗って形を整えていくんだニャ!


ワンちゃんを洗う浴槽部分も、ステンレスやFRP製の既製品は使わずに、レンガを積み上げて作った特製品だニャ!





↑ こんな感じから・・・





↑ こんな風になりましたニャ!




浴槽も壁と一体になるようにタデラクトで仕上るので、レンガを積んだ後に、壁と同じようにNHLのモルタルを塗って滑らかな形状に整えていくんだニャ!





↑ なんだかそれらしくなってきましたニャ♪




そして、ようやく下地が完成!


ここまであっという間の作業だったようだけど、実は何度も塗っては乾かしたりして、すでに3ヶ月もかかっているんですニャ~!


そして、いよいよタデラクトで仕上にかかりますニャ!


でも、本当はタデラクトというのはモロッコのマラケシュと言うところで採れた石灰を使うものらしいんだけど、今回、犬洗洞のシャワーブースはそのマラケシュ産の石灰を日本の有名な石灰会社さんが研究して作った、いわば、“和製タデラクト” の実用第一号の現場となったんだニャ!(日本初だニャ! んっ? 世界初かニャ?)


まぁ、そんな訳もあって実際にこの工事にたどり着くまでの間も、石灰会社の人も、施工する左官屋さんの大森さんも色々と大変な苦労があったようですニャ~(お疲れ様ですニャ~)


さぁ、そのタデラクトの施工は今回シャワーブースの形状の関係で全面を一気に仕上なければならなかったようで、職人さん2人がかりで実に丸2日の寝ずの作業になっちゃったようですニャ!(またまた、お疲れ様でしたニャァ~)





↑ 材料を塗って小さな石で磨いていくんですニャ!





↑ 現在夜中の1時・・・。 まだまだ作業は続きますニャァ~





↑ 左官屋さんの古川さん。 疲労感たっぷりだニャ(=^_^;=)




こうして、ついに世界初(たぶんニャ)、“和製タデラクト” での実用第一号の工事が終わって犬洗洞のシャワーブースは完成したんですニャ!





↑ 完成直後の様子ですニャ





↑ 現在のシャワーブースの様子
通称、“じゃぶじゃぶ小屋” だニャ♪






↑ 和製タデラクトの質感はこんな感じですニャ!




実のところまだまだ問題点も多いようだけど、どこか神秘的な雰囲気のあるシャワーブースに仕上がったようで、とりあえずは、みんな満足といったところですニャ♪


ちなみに、こちらは本場マラケシュ産のタデラクトで作った、“つくばい”(って言うらしいニャ)。





↑ 本場のタデラクトは温もりも感じられるニャ~




この犬洗洞のシャワーブースを第一歩にもっともっと研究や技術が進歩して、“和製タデラクト” が普及していくといいニャ♪(でも自然派の路線は踏み外さないでニャ!)